し か と (※「しかと」は、このページの背景画像にもいます)
むかしむかし、あるところに おじいさんとおばあさんが すんでいました。
おじいさんは やまへ しばかりに、おばあさんは かわへ せんたくにいきました。
おばあさんが かわで せんたくをしていると、どんぶらこ、どんぶらこと、おおきなすいかが
ながれてきました。おばあさんは おきなきなすいかをひろって、いえに もちかえりました。
そして、おじいさんとおばあさんが すいかをわってみると、なんとびっくり、
すいかのなかから おとこの しかのあかちゃんが うまれました。
おばあさんたちは、そのこに「しかと」というなまえをつけました。
しかとは だんだんとそだって、やがて とてもつよくなりました。
あるひ、しかとが いいました。「ぼくは、ももたろうよりもさきに、わるいおにを たいじします。」
そして、おばあさんに せんべいをつくってもらうと、しかとは おにがしまへむかいました。
たびのとちゅうで、いぬにであいました。
「しかとさん、どこへいくのですか？」「おにがしまへ、おにたいじに いくんだ」
「それでは、しかとさん、おこしにつけた きびだんごを ひとつ くださいさいな。おともしますよ」
ざんねんなことに、しかとが もっているのは、きびだんごではなくて せんべいでした。
なので、いぬは かわりにせんべいをもらい、しかとのおともになりました。
そしてこんどは、さるにであいました。
「しかとさん、どこへいくのですか？」「おにがしまへ、おにたいじに いくんだ」
「そうですか。しかとさん、がんばってください。おうえんします。さようなら」
さるは しかとのおともには なりませんでした。そしてこんどは、きじにであいました。
「しかとさん、どこへいくのですか？」「おにがしまへ、おにたいじに いくんだ」
「しかとさん、ぐうぜんですね。ぼくも、ももたろうと おにたいじにいくんです。さようなら」
きじは しかとのおともには なりませんでした。
こうして、いぬのなかまだけをてにいれた しかとは、ついに おにがしまへやってきました。
おにがしまでは、おにたちは ちかくのむらからぬすんだ ごちそうを たべていました。
「いぬ、ゆだんするな。とちゅうで ねむったりは するなよ。それ、おにに とつげきだ！」
いぬは ごちそうをうばい ぜんぶたべて、そのままねむって おにをこまらせて、
しかとは おおきなはなを おにに おしつけて たたかいました。
とうとう おにのおやぶんが、「まいった。こうさんするから、たすけてくれ」と、あやまりました。
しかとと いぬは、おにからとりもどした たからものを ぜんぶ いえにもちかえりました。
おじいさんとおばあさんは、しかとの げんきなすがたをみて おおよろこびです。
そして しかとは、たからものを みんなにあげて、みんなは しあわせにくらしましたとさ。
おにを こらしめられなかった ももたろうにも、１００えんぐらいの たからをわけてあげました。
とっぴんぱらりのぷう。(めでたし、めでたし。 という いみ)
か っ ぱ
むかしむかし、うみのちかくに えりかっぱ というわかものが いました。
かっぱだから、うみの すぐそばに すんでいました。
あるひ、 えりかっぱが はまを とおると、 おおぜいの こどもたちが かめを
つかまえて いじめていました。 えりかっぱは かっぱだから、 かめのことを
かわいそうに おもって、 たすけて あげました。
それから なんにちか たって、えりかっぱが うみで およいでいました。
かっぱだから、およぐことが できます。 すると、おおきな かめが でてきて
いいました。 「えりかっぱさん、 このあいだは ありがとうございました。 おれいに
りゅうぐうじょうに つれていって あげましょう。 わたしのせなかに おのりなさい。」
それに こたえて えりかっぱは、 こう いいました。
「かっぱだから、 およげます。 みずに ぬれても へいきです。 かっぱだから。」
えりかっぱは、 かめのあとを およいで ついていくことに しました。
かめは だんだんと うみのなかへ はいっていって、まもなく りゅうぐうじょうに
つきました。 そこは、 みたこともないほど うつくしい ところでした。
りゅうぐうじょうの おとひめは、 えりかっぱがきたことを とても よろこびました。
いろいろな ごちそうで、 えりかっぱを もてなしました。 えりかっぱは、 おいしい
ごちそうに おおよろこびです。 かっぱだから、 きゅうりを たくさん たべました。
えりかっぱは、おうちに かえることを わすれて たのしいじかんを すごしましたが、
そのうち おうちに かえりたく なりました。 そして、 えりかっぱは いいました。
「たくさん おせわに なりましたが、 かっぱだから そろそろ かえります。」
おとひめは「そうですか、 ざんねんです。 それでは おみやげに この たまてばこを
さしあげましょう。 ただし、 どんなことが あっても、 ふたを あけないでください。」
といって、えりかっぱに きれいな たまてばこを わたそうと しました。
しかし、 えりかっぱは「かっぱだから、 たまてばこは ひつよう ありません。」
といって、 たまてばこを もらいませんでした。 かっぱだから、 かわりに たくさんの
きゅうりを もらいました。 そして、 えりかっぱは おとひめと おわかれして、
およいで うみのうえに でてきました。
こうして、 えりかっぱは げんきに おうちに かえってきて、きゅうりを たくさん
たべて へいわに すごしました。 かっぱだから、 きゅうりを たくさん たべます。
とっぴんぱらりのぷう。(めでたし、めでたし。 という いみ)
くいず このぺーじには、なんかいぶん かっぱだから とかかれているのかな？